目次
・「官」と「賊」を往復した維新の巨魁
◎第一章 火の国 薩摩
・薩摩おごじょ
・肥後と薩摩 他
◎第二章 西郷と島津斉彬
・「郷中」が育んだ「テゲ」の文化
・島妻 愛加那 他
◎第三章 西郷の幕末動乱
・西郷と島津久光 〜二度目の流刑〜
・「赤報隊」という道具
・無血開城という美談 他
◎第四章 明治復古政権の成立と腐敗
・賞典録と西郷
・明治復古政権の成立
・新政府の腐敗 他
◎終章 田原坂への道
・岩倉使節団と西郷
・明治六年政変と西郷
内容説明
<内容>
長州と組んで幕府を倒し 長州政権に抗して敗死した
西郷隆盛とは いったい何者だったのか──。
「維新の三傑」と称えられるこの男の衣を剥ぐと
「度量が偏狭で協調性がなく
一度敵とみた者はとことん憎む」
「粘着性をもち 好戦的で常に独走する」
「死の商人グラバーと手を組み
密貿易で長州に武器を渡す」
「江戸でテロ集団赤報隊に無実の人々を殺させ
騒乱を創り出す」
「江戸城無血開城の大西郷伝説は創作である!」
「西郷は 真の征韓論者ではない」──
こんな姿が見えてくる。
そう 彼は まったくグランドビジョンもなく
討幕に突き進んだのである。
〝維新のヒーロー〟として祭り上げられた
大西郷の実相に迫る新維新論。
<出版社から>
「明治維新のもう一方の担い手である薩摩はどうなのか?
吉田松陰や木戸孝允がテロリストなら 西郷はどうなのか?
大西郷は明治新政府にとって好都合な虚像ではないのか」
『明治維新という過ち』(毎日ワンズ)を拝読して
感動した私たちは 原田伊織先生に
こんな疑問を投げかけ ご執筆を依頼しました。
原田先生は 「実はそこを書かねば明治維新のまやかしを
ハッキリすることは出来ないと思っていました。
これで長州に次いで薩摩にも行けなくなるなぁ(笑)。
でも 書きましょう」とご快諾をいただき
1年に及ぶ執筆期間を経て完成したのが本書です。
「歴史の検証にタブーと例外があってはならない。
たとえ〝大西郷〟であっても虚像は剥がさねばならない」
『明治維新の過ち』『官賊と幕臣たち』(以上 毎日ワンズ)を
読んだ人も 読んでいない人も 維新の実相を明らかにする
〝原田ワールド〟にたっぷりと浸ってください。